2017年6月10日土曜日

安全のための知識と技術 公開講座


6月7日18時半よりエル大阪にて公開講座がありました。

http://www.jfmga.com/pdf/290607_oosaka_koukaikouza.pdf


イッテQの登山隊の角谷さん(石井スポーツの三ノ宮支店に勤務)と長野県警のレスキュー隊の櫛引さんという方の安全登山の講演に行ってきました。

目からウロコの話ばかりで大変役に立ちました

アイホンでメモってたので備忘録として。

世界の山から見た安全登山とは





石井スポーツ 角谷さん イッテQの登山隊

最初はイッテQのエピソードや海外登山の話

・高山病
 体質もある
 次行くときも必ずなる

 5500mくらいまでは慣れれる
 赤血球、ヘモグロビンの増加など体質が変わる。

 7000mくらいから上は酸素が必要

・トムラウシの低体温症

 夏で氷点下にはなってないけど低体温症で死亡
 濡れるのが問題
 逃げるところがあるか?が命の分かれ目
 トムラウシは八時間歩かないと逃げる場所がなかった

 登山だと風速毎秒10mくらいが限界だと思う
 時速30kmくらい? 
 秒速30mだと時速108kmの車から顔を出してるのと同じ

・体力が大事
  歩き続けないと体温が作れない
  風雪の中でジャケットを着る余裕もないまま薄着で亡くなった方がいた
  ヘルメットによって事故の数は変わらないが死者は減った

・熱中症
  事前に体を鍛えて大汗をかくような運動をしてから山に行くことが大事

・御嶽山の噴火

  正常性バイアスが働いた。
  正常性バイアスとは差し迫る危機を過小評価してしまう
  人間はまだ大丈夫、今回は大丈夫だと思ってしまう習性がある
  噴火の後皆が写真を撮っていて逃げ出すまでに3分かかっていた

・雪崩(高校生の件)

  経験則に頼りすぎるのはダメ
  いろんな考え方があるので慢心せず調べることが大事

・そういう自分(角谷さん)も五年前に八ヶ岳で滑落
  実際は研修中に巻き込まれたようですが
 赤岳主稜で300メートル落ちてヘリで救助された。
  周りも誰も自分が落ちるとは思ってなかったし、自分も思ってなかった
  しかし起こる時には起こる

・最後に
  周りに困っている人が居れば声をかける
  医者がいなくてもファーストエイドが出来るように
 調子が悪ければ遠慮せずに仲間と共有すること

 山に行く前に出来ることを全てやってから行って欲しい
 体力作りや仲間とのコミュニケーションなど

山岳遭難の現場から

長野県警の櫛引さん

・遭難救助隊は長野県警のうち百人に一人くらいしかなれない遭難救助のエキスパート

  機動隊 陸上での救助
  航空隊 ヘリからの救助

  全体の七割程度が航空隊による救助

  普段は交番に配置して何かあれば駆けつけ
 長野はエリアが広く特定の山に常駐は困難


・ 要救助者に男性が多いのは挑戦的で計画を実行しようとする性があるため

・ザイテングラート

  昨年六件事故
  うち三人死亡
  道を外して不安定なところで滑落した

 スリップ、バランス崩す前に道を外れてしまうパターンが多い
 
  道を間違えてどんどんと外れてそのまま滑落
 ルートが間違えるが戻れない。判断できないことが事故発生のトリガー
 疲れているとき、ガスがかかっているときは注意

・パッキング
  若い子はザックをダランと背負いたがる
  ザックが後ろに引っ張られてこける

・力量に見合った登山
  冬山で装備はしっかりしてるが使いこなせてない人が多くて装備が保険程度にしかなってない
  アイゼンなどの装備はしっかりしてても標高の高いところで雪が硬くなって
 登るも降りるも出来なくなった事例がある。

 1月のアルプスに夏履で登ってくる人
 トレランでバテる人

・疲労、病気によろ遭難
 ー夜行、休憩なしの無理な計画
  ベストコンディションで山に登って欲しい
 ー適切な補給(水、エネルギー)
  脳梗塞、心筋梗塞に繋がる
 ー致命的な持病

・はぐれ遭難

 宝剣山でアイゼントラブルで別れた後に片方が遭難。これだと単独登山と同じ
  弱い人にペース合わせる
  距離が離れることはあるがせめて声が届く、目が届く範囲で
  トラブルが起きた後では遅い

・トレーニングの重要性

 岳沢のくだりで消耗して運ばれた人と三年後に再会
 トレーニングによって見違えってたくましくなって穂高、槍のキレットの縦走もしていた

・あると助かる必需品
 ー日帰りでもヘッドランプ
  ヘッドランプがあると昼でもヘリから場所を特定しやすい
 ーヘルメット
  ヘルメットがあることで助かった人が多い
  頭部を打って即死が多い

・保険
  警察だけなら費用がかからないが遭難対策協議会の場合は費用、保険がかかる
  捜索の場合は1日あたり一人五万円で10人で50万ほどはかかる。
 家族に迷惑をかけないように

・実際の救助動画( 戸隠)
 大腿骨骨折
 長野県警が考えた背負う道具
 ヘリから降りる人数が限られており
 人力の搬送も大変
 樹林帯は引っかかるとヘリも倒れるので危険


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